島根県の丸山達也知事は11日の定例記者会見で、小泉進次郎元環境相が主張する解雇規制の緩和について、「会社側が従業員を今よりも解雇しやすくするということしか意味しない。正規の人を非正規にするという意味での格差是正だ」と皮肉り、痛烈に批判した。
自民党総裁選に立候補した小泉氏は解雇規制の見直しに取り組むと言及しており、総裁選の争点に浮上しつつある。丸山氏は定例記者会見の終盤で、自ら小泉氏の主張を話題に出して、強く疑問を呈した。
丸山氏は「企業経営者にとって魅力的なことを言われている。でも、雇用される側からすると、とんでもないこと」と批判。さらに「正規、非正規の格差という問題が非常に少子化に影響していると思う。これ以上、雇用を不安定にして、将来設計を立てられないような社会を進めてしまったら、今以上に出生数が減る」と熱弁を振るった。
また小泉氏の父、小泉純一郎元首相の政権下で製造業への派遣が解禁されたことにも触れ、「お父さんと同じ流れか知りませんけど、親子2代で日本の雇用を全て非正規化していくことを目指しているのか」と述べた。【目野創】