30歳になった時、いくら稼いでいたいですか――。毎日新聞は、大学生向けスケジュール管理アプリ「Penmark」を展開するIT企業「ペンマーク」(東京都)と共同で、大学生を対象にしたアンケート調査を実施した。30歳といえば、今年30歳になった大リーグの大谷翔平さんのようにバリバリと働いている年齢だ。
「30歳までの理想の年収」を聞いたところ、最も多かったのが「500万~600万円未満」(21・7%)。次いで「400万~500万円未満」が17・7%▽「600万~700万円未満」が15・0%――で続いた。高年収を目指す人も少なくなく、「1000万~2000万円未満」は8・7%▽「2000万円以上」は5・6%となった。
同時に、30歳までに最低限ほしい年収も尋ねた。「400万~500万円未満」が23・6%で最多となり、「300万~400万円未満」(23・1%)とほぼ並んだ。
理想の年収で最多だった「500万~600万円未満」は最低限ほしい年収では19・5%とやや減少した。全体では回答者の3人に2人が「300万~600万円未満」の範囲に収まった。
「理想の年収」と「最低限ほしい年収」の差は、おおむね100万~200万円と小さかった。この結果について、ペンマークの横山直明最高経営責任者(CEO)は「最近の学生はリアリスト(現実主義者)」と分析する。
SNS上に増えているブイログ(主に日常生活の様子を撮影した動画)を通して「年収ごとの生活がより具体的に想像できるようになった」のに加え、「SNSには(他人を)『たたく文化』があり、現実味のない自分の夢を簡単には公言しにくい環境ができてしまった。大きな夢を語る学生が減った」と語った。
アンケートでは「1000万円の年収が得られるとしたら、何に優先的に使いたいか」(最大三つまでの選択式)も聞いた。貯金(50・9%)と投資(41・4%)がトップ2を占め、ここでも堅実な学生像が明らかになった。3位は海外旅行(29・7%)だった。
アンケートは7月4~14日、ペンマークの利用者を対象にウェブで実施した。13項目の設問に、大学1~4年生の計1116人から回答を得た。【後藤豪】