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トランプ氏陣営、国立墓地で職員とトラブル 「政治活動」巡り口論


 米陸軍は29日、共和党のトランプ前大統領が26日に首都ワシントン近郊のアーリントン国立墓地を訪れた際、政治的な活動が禁止されている区域でトランプ氏の一行に注意しようとした墓地職員が「不意に脇に押しやられた」と明らかにした。米メディアによると、職員は写真や映像の撮影を注意しようとして、トランプ氏側ともめたという。

 トランプ氏はこの日、2021年にアフガニスタンで起きたテロ事件で殺害された米兵の遺族に招かれ、国立墓地での慰霊行事に参加した。報道によると、現場はアフガンやイラクでの戦没者らが葬られた区域で、注意を呼びかけた墓地職員とトランプ氏側のスタッフが口論になり、職員が突き飛ばされたという。

 トランプ氏には、当該テロ事件も起きた21年の米軍アフガン撤収時の混乱に関して、11月の大統領選で対決するハリス副大統領(民主党)の責任を問う狙いがあった。しかし、今回のもめ事で「慰霊行事を政治的に利用しようとした」との印象を残す結果となった。

 国立墓地を管理する陸軍の広報担当者は声明で、「墓地の職員は、行事参加者に対して、政治活動の禁止区域のことを再確認しようとした。職務を果たそうとして不当に攻撃されたのは残念だ。職員は(突き飛ばされたことに関する)告発は望んでおらず、軍としては今回の件は解決済みだと考えている」と述べた。

 一方、トランプ氏側は「撮影の許可は得ていた。厳粛な行事のさなかに、チームの一員が身体的に妨害されることがあった」と説明。撮影が政治活動か否かを巡り、認識の食い違いがあった可能性がある。【ワシントン秋山信一】

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