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「岐阜高島屋」が閉店 47年の歴史に幕 百貨店ゼロ4県目に


 岐阜県唯一の百貨店「岐阜高島屋」(岐阜市)が7月31日閉店し、47年の歴史に幕を下ろした。朝から別れを惜しむ多くの買い物客らが詰めかけ、最後の時間を楽しんだ。同店の閉店により、「百貨店ゼロ」の県は山形、徳島、島根に続いて4県目となる。

 この日は早朝から開店を待つ買い物客らで行列ができ、各階の売り場は終日、家族連れなどでにぎわった。

 小学生の息子と本を購入した岐阜県関市の田中範子さん(40)は「親の誕生日プレゼントはいつも高島屋だった。(高島屋のシンボルである)バラの花のマークが入った買い物袋を手渡すと、普段は笑わない父が喜んでくれた」と振り返った。

 岐阜市の岩田奈穂子さん(54)は11階のレストラン街で最後のランチを楽しんだ。「子どもが高い場所が好きで、以前よく一緒に来ました。この景色がもう見られないなんて」と閉店を惜しむ。

 一方、婦人雑貨売り場の女性従業員は「最後まで足を運んでくださり、本当にありがたい気持ち」と話した。

 閉店時間の午後7時が近づくと、1階の正面入り口前には、最後の瞬間を見届けようと多くの人が集まった。

 閉店後、橋本逸郎社長は「岐阜高島屋は本日この地からなくなりますが、これからも皆さまの思い出の中に生き続けることができたら、これ以上の幸せはありません。長年にわたるご愛顧、ありがとうございました」とあいさつ。従業員がそろってお辞儀をすると、買い物客らから「長い間、ありがとう」と大きな拍手が湧いた。

 岐阜高島屋は1977年、柳ケ瀬商店街に開業。圧倒的な集客力で中心市街地の活性化に貢献するとともに、まちのシンボルとして市民らに親しまれてきた。しかし、郊外型店舗の台頭や地場の繊維産業の衰退を背景に柳ケ瀬から客足が遠のき、建物の老朽化などもあって昨年10月に閉店を発表した。

 高島屋の閉店で、柳ケ瀬商店街への客足減少を懸念する声もあるが、岐阜市の柴橋正直市長は「昨秋の閉店発表以降、商店街では勉強会やマーケットの定期開催など主体的な取り組みが生まれ、大変心強く思っている。今後も中心市街地の付加価値向上に向け、官民連携によるまちづくりに取り組んでいきます」とコメントした。

【稲垣洋介】

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