代表選手によるセクハラ問題を巡り、韓国フィギュアスケート界が揺れている。韓国スケート連盟は6月中旬、未成年の後輩選手にセクハラした疑いなどで女子フィギュアスケート選手の李海仁選手(19)を3年間の選手資格停止処分にした。当初、連盟は処分対象の選手の名前を公表していなかったが、同月下旬に李選手が自ら疑惑を公表。「(被害者とは)恋人関係で、未成年者にセクハラをし、性的加害をした事実はない」と反論している。
李選手は昨年3月の世界選手権の女子シングルで銀メダルをとるなど、「ポスト金妍児(キムヨナ)」と目される人気選手だ。処分について李選手は韓国体育会スポーツ公正委員会に処分の再審を請求。体育会は申請を受けた日から60日以内に判断を出す。連盟の処分が確定すれば、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季オリンピックに出られなくなる。
処分内容は、5月にイタリアで行われた合宿で李選手が飲酒をし、異性の後輩選手を自分の宿舎に呼びセクハラをしたとしている。連盟は後輩選手について、異性選手の宿舎を訪問したことが訓練規定に違反するとしてけん責処分とした。
李選手は6月27日に自身のネット交流サービス(SNS)などで「飲酒したことは深く反省している」と述べた上で、後輩選手は高校時代の交際相手で、両親の反対で別れたと告白。「再び付き合うことになったが、秘密にしていた。恋人の間でできるいたずらや愛情表現だと思った」と説明した。
一方、聯合ニュースなどによると後輩選手の代理人弁護士は、過去の交際を認めた上で、2人の間で「キスマーク」が話題になった後、李選手が後輩選手の首にキスをしたと当時の状況を説明。後輩選手は「とても慌てて驚いた状態で直ちに部屋から出た」と主張している。現在、精神科の診療を受けているという。【ソウル日下部元美】