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観光客は人口の100倍超 太宰府市、オーバーツーリズム対策に本腰


 観光客の増加が住民の生活環境に悪影響を及ぼす「オーバーツーリズム」(観光公害)が全国的に問題となる中、多くの参拝客でにぎわう太宰府天満宮などがある福岡県太宰府市は、対策に本腰を入れることになった。関係者らによる対策会議を設置するほか観光客の分散化やマナー啓発に一層力を入れる。事業費約3100万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を開会中の市議会定例会に提案している。

 楠田大蔵市長は5月28日の定例記者会見で「人口約7万人の100倍を超える観光客が年間に来られる代表的なオーバーツーリズムの市として、本格的に対策に乗り出したい」と決意を語った。

 市によると、2023年度の観光客数は約881万人で新型コロナウイルス禍前の水準を回復した。だが、交通渋滞をはじめとする課題が浮き彫りに。トイレやゴミの問題のほか、市の「コミュニティバス」を観光客が利用するので住民が乗れないとの報告もある。

 対策会議は市や太宰府天満宮、参道事業者、地元住民などをメンバーに今夏にも発足予定で、課題解決の方策を探る。楠田市長はコミュニティバスの料金について、観光客に相応の負担をしてもらうことも含めて考えたいとしており、住民と差を設けることに関しても協議される見通し。

 観光客分散化については、市のホームページにある市内駐車場の空き情報などを知らせる交通情報案内システムを充実させ、周辺エリアへの回遊を促す観光情報を発信するデジタルサイネージ(電子看板)を西鉄太宰府駅構内などに設置する。

 また、福岡空港国際線ターミナルにリニューアル予定の国際観光案内所に「太宰府コンシェルジュ」を設置。訪日外国人客の誘客とマナー啓発を図る。

 いずれも国の補助事業で市は観光庁に申請中。認められれば助成を受けられるという。

 楠田市長は「市にとっては積年の課題。市民と交流人口の相互発展をコンセプトに対策を進めたい」と話している。【後藤浩明】

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