静岡県伊豆の国市消防団の女性消防隊にモンゴル出身で同市国際交流員のチンバット・アノンさん(39)が入団し、辞令交付を受けた。地域で行われる防災訓練に参加する中で日本人の防災意識の高さに触れ、「災害時に日本で役に立ちたいし、母国でもこの知識を生かしていきたい」との思いから、同市では異例の外国人の団員が誕生した。
アノンさんは昨年7月に同市の国際交流員として来日。モンゴルでは投資銀行や法務省などで勤務しており、母国でも防災訓練は経験している。しかし、「(モンゴルでの訓練は)頭にかぶるための厚い本を持って外に出て、15分もしたら建物にもどるだけ。日本では自分の身を守るだけではなく、協力しあう知識も深い」と、アノンさんは意識の差を指摘する。
同市とモンゴルは2015年に姉妹都市となり、来年10周年を迎える。アノンさんは10周年までは国際交流員として務めを果たす予定で、それまで日本の防災についても学びたいという。【若井耕司】