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大谷翔平選手「一つの区切り」 水原容疑者、保釈 接触禁止など条件


 違法賭博の借金を返済するために米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手(29)の銀行口座から不正に1600万ドル(約24億5000万円)以上を送金したとして、銀行詐欺容疑で訴追された元通訳の水原一平容疑者(39)が12日午後(日本時間13日午前)、米西部ロサンゼルスの連邦地裁に出廷した。これに先立ち捜査当局に出頭し、身柄を一時拘束されたが、保釈申請が認められた。保釈金は2万5000ドル(約380万円)。

 違法賭博疑惑が報じられて以降、水原容疑者が公の場に姿を見せるのは初めて。この日の審理では訴追内容の認否は行われなかった。判事は保釈条件として、被害者である大谷選手らへの接触禁止、賭博行為の禁止、ギャンブル依存症の治療プログラムへの参加などを命じた。パスポートの没収も命じた。水原容疑者はいずれも承諾した。次回の審理は5月9日に設定された。

 米メディアによると、水原容疑者の弁護人は12日、声明を発表し「彼(水原容疑者)は大谷選手、ドジャース、大リーグ機構(MLB)、そして家族に謝罪することを望んでいる」と表明した。水原容疑者がギャンブル依存症の治療に真剣に取り組む姿勢を見せているとして「法的な手続きが進めば、水原容疑者はコメントを出すつもりだ」と述べた。

 また、大谷選手も同日、米紙ロサンゼルス・タイムズの取材に対し「司法省の調査には非常に感謝している」とコメント。「私個人としては、これは一つの区切り。野球に集中していきたい」と述べた。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、水原容疑者は司法取引に応じる方向で司法当局と交渉を進めている。起訴されて有罪になれば最高で禁錮30年が科されるが、司法取引が成立すれば減軽の可能性がある。

 水原容疑者は、3月20日に韓国・ソウルで行われた今季開幕戦の試合後のチームミーティングで自身は「ギャンブル依存症」だと告白。日本の国税庁に当たる内国歳入庁(IRS)が裁判所に提出した文書によると、2021年12月から24年1月までに1万9000回近くの賭けを行っていた。勝ちから負けを差し引いた損失は約4068万ドル(約62億円)に膨らんでいた。【ロサンゼルス中村聡也】

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