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どうして? 「銅」の盗難、山口で被害相次ぐ 対策どうすれば…


 山口県内で、線路のつなぎ目に設置されているケーブルや橋の名前などが書かれた名板など、銅の窃盗被害が相次いでいる。なぜ狙われるのか、背景を探った。

 JR西日本によると、盗まれたのは車両の位置を把握するために取り付けられたレールボンドと呼ばれるケーブル。宇部線は阿知須(山口市)―岐波(宇部市)駅間、丸尾(同)―床波(同)駅間の計約1・6キロの範囲で228本、居能駅(同)構内で130本が被害に遭った。山陽線では本由良(山口市)―厚東(宇部市)駅間の約210メートルの範囲で76本、宇部駅構内で16本が盗まれており、計約450本が窃盗被害に遭ったとみられる。

 また、今年2月以降、山口市では銅製の橋の名板16枚(計80万円相当)、下松市ではブロンズ製の名板8枚(計32万円相当)が盗まれるなど、被害が後を絶たない。

 専門家はどう考えているのか。全国で防犯システム事業を展開する「セキュリティハウス・センター」(本社・京都市)の担当者は「人目につきづらい地域に被害が集中する傾向があるのではないか」との見方を示す。

 2008年の北京オリンピック開催時に金属価格が高騰し、転売目的の金属盗が急増して以来、被害件数は高止まりしているという。特に近年は銅価格が高騰し窃盗被害が全国的に続出。山口県内の複数の金属買い取り業者によると、銅価格は急激に上がっているといい、中でも導線に使われる銅は「ピカ銅」と呼ばれ、価格が高いとされる。

 宝石や金とは違い、銅などは少量で高く売却できるわけではない。「セキュリティハウス」の担当者は、銅を大量に盗むには重機やトラックなどが必要で、夜間の人通りが極端に少なくなるなど人目につきにくい場所が標的になっているのではないかと見る。宇部駅近くに住む70代の男性は「人通りのない深夜に集団がいても気づかないかもしれない」と話した。

 防犯カメラの設置は一定の抑止力にはなるが、カメラがある前提で犯行に及ぶことも多く、抜本的な対策は難しいのが現状だ。担当者は「遠隔で映像を見て、異常を目視で確認して通報するしか対策はないのでは」と語った。【小澤優奈】

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