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罷免判決の判事、実は有名 一方SNS過激「縛ってもらいました」


 裁判官弾劾裁判所に訴追された仙台高裁の岡口基一判事(58)は、ネット交流サービス(SNS)で過激な投稿を繰り返し、物議を醸してきたが、法曹界では実務に通じた民事裁判官としてその名を知られる存在でもあった。

 岡口判事は東大卒で、1994年任官。民事裁判官の経験が長く、岡口判事が執筆した「要件事実マニュアル」は裁判実務が分かりやすくまとめられていると評価され、「知らない弁護士はいない」と評されるほど有名な専門書だ。

 一方で、裁判官としては珍しく、インターネットを通じた情報発信に以前から関心を寄せていた。

 岡口判事の著書によると、99年にインターネット上に匿名で法律情報のポータルサイトを設立した。2008年からは実名でツイッター(現X)の投稿をするようになったという。

 岡口判事のツイッターのアカウントが世間に知られるようになったのは、皮肉にも裁判所から投稿内容が問題視されたためだ。

 「俺が実験台になって縛ってもらいました」。岡口判事は、そんな書き込みとともに上半身裸の写真を投稿。当時の東京高裁長官は16年6月、岡口判事を厳重注意した。岡口判事はこの際、「このようなつぶやきは二度としない」と投稿している。

 だが、その後もツイートは続いた。17年12月には、東京都江戸川区の女子高校生が殺害された事件について「首を絞められて苦しむ女性の姿に性的興奮を覚える性癖を持った男」と発信し、18年3月にまたも高裁長官から厳重注意された。

 その2カ月後には、飼い主に犬の所有権を認めた民事裁判の判決について「え?あなた?この犬を捨てたんでしょ?3か月も放置しておきながら・・」と投稿。飼い主が抗議し、最高裁は18年10月、「飼い主の提訴が不当とする評価を不特定多数に伝えた」として戒告の懲戒処分を決定した。

 それでも行動は改まらなかった。19年11月には、女子高校生殺害事件を巡って自身のフェイスブックに「遺族は俺を非難するよう洗脳された」と書き込み、最高裁は20年8月、2度目の戒告処分を決定した。

 過激な投稿が繰り返されたこともあり、岡口判事のツイッターのフォロワーは約4万人にまで増えた。一方で、女子高校生殺害事件の書き込みで賠償を命じられ、確定している。

 過去の弾劾裁判所に訴追された裁判官の大半は最高裁が裁判官訴追委員会に罷免を求めたのに対し、岡口判事は遺族らの請求により訴追された。【菅野蘭】

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