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座って接客はあり? バイトの「立ちっぱなし」、大学生が声を上げた


 座ったまま接客してもいいですか――。新生活が始まり、アルバイトやパート先を探す人が増える春、立ったままの接客を見直す動きが広がっている。大手求人サイトが実施した調査では、「接客中に座りたい」と思っている人は6割を超えたが、実際に座ったままの接客が許されている職場は2割にとどまった。首都圏では大学生バイトらが、「立ちっぱなし」問題を解決しようと声を上げ始めた。

 調査は、バイト情報サイトを運営するマイナビ(東京都千代田区)が3月にインターネットで実施。接客業務をしているパート・アルバイトと雇用主の計600人が回答した。

 雇用主側に、座ったままの接客を許可しているか聞いたところ、「原則許可していない」「特にルールを決めていないが、座っていない」が44・3%に上り、「常時座れる」は23・3%にとどまった。許可していない理由で最も多かったのは「客からの印象の悪化を防ぐため」で33・8%、「なんとなく・特に理由はない」が25・6%だった。ただ、7割以上の雇用主が接客中に座ってもいいと思っていた。

 一方、バイト側は、65%が「接客中に座りたい」と回答。「立ち仕事から来る肉体的な要因で辞めた経験がある」は19・7%に上り、「必要に応じて座れることで就労意欲が上がる」と答えた割合は54%だった。

 解決のきっかけになればとマイナビでは、狭いレジ内でも腰掛けられる特製の椅子を三重県のメーカーと共同開発し、3月から企業への提供を始めた。マイナビは「雇用主側の回答から、理由もなく立ちっぱなしになっている実態がうかがえる。負担に感じているバイトも多く、雇用確保の面からも『立ちっぱなし問題』の解決が必要」とする。

 当事者も改善に向けて動き出した。「レジ店員は客が来ない間も長時間立ちっぱなし。それが当たり前なのはおかしい」。埼玉県にある大手スーパーの店舗でアルバイトをしている文教大4年の茂木楓さん(22)はずっと疑問に感じてきた。椅子設置に向けて労働組合「首都圏学生ユニオン」を通じ、2年ほど前から会社と交渉を始めた。2022年12月にはネット署名で約2万2000筆の賛同を集めた。客にもレジ店員が接客中に座ることの是非についてアンケートしたころ、「ほぼ100%が賛成だった」という。

 こうした活動の結果、会社は23年9月から約1カ月半、一部店舗で椅子を試験的に設置。レジ打ち中は立って作業するが、客を待つ間は座れるようになった。客からの苦情もなく、足などの疲労感も軽減された。

 だが、茂木さんによると、レジ担当以外の従業員も含めた社内アンケートで反対意見の方が多く、導入は見送られたという。

 今も交渉を続けている茂木さんは「多くの利用客は『気にしていない』ことが明らかになっている。現場を知らないデスクワークの人たちで決めるのではなく、現場の労働者の声も聞いてほしい」と話している。【西本紗保美】

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