ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は2日、徴兵の対象年齢の下限を27歳から25歳に引き下げ、徴兵免除の条件を厳格化する法案に署名した。昨年12月に政府が最高会議(議会)に法案を提出したが、ゼレンスキー氏は署名を保留していた。前線での兵員不足が深刻化しており、追加動員を加速するための判断とみられる。
大統領の署名は、最高会議がウェブサイトで公表した。ゼレンスキー氏は徴兵対象年齢の引き下げのほか、身体的な理由で兵役免除を認められた人に追加の医療検査を義務付ける法案や、兵役適格者の情報をデータベースに保存するための法案にも署名した。
ゼレンスキー氏は昨年12月の記者会見で、軍から最大50万人の追加動員を求められたと明かしたが、徴兵の対象年齢を引き下げる法案については「それが必要だとの議論が十分に強まった場合にのみ署名する」と慎重な姿勢を示していた。【ブリュッセル宮川裕章】