阪神バス運転士、乗車券持ち出し換金 2万円着服で懲戒処分

　阪神電鉄の子会社「阪神バス」（兵庫県尼崎市）に勤務していた50代の男性運転士が、不正に入手した乗車券の換金を繰り返し、総額約2万円を着服したことが関係者への取材で判明した。同社は一連の事実を認め、この運転士を懲戒処分にしたことを明らかにした。運転士は既に同社を辞めたという。

　阪神バスや関係者によると、運転士は関西国際空港と大阪、兵庫の主要駅を結ぶリムジンバスなどを担当していた。3月、乗車した利用客から受け取った複数枚の乗車券を不正に持ち出し、換金を繰り返していた。

　回収した使用済みの乗車券は本来、運転士が穴を開けて勤務先の営業所で保管するルールになっている。

　運転士は発覚後の社内調査に関与を認めた。同社は監督責任を問い、複数の上司らも懲戒処分にした。

　阪神バスの担当者は取材に「お客様の信頼を失う行為で、従業員のコンプライアンス意識の強化と服務規律の順守を徹底させる」とコメントした。

　阪神バスはリムジンバスのほか、阪神電鉄の沿線や阪神甲子園球場（兵庫県西宮市）の周辺を中心に路線バスも運行している。【洪玟香】