岸田文雄首相は28日の参院予算委員会で、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた追加聴取を巡り、過去に清和政策研究会（現安倍派）会長を務めた森喜朗元首相も「対象に含まれうる」との認識を示した。一方、対象者は調整中だと強調し、実際に森氏を聴取するかどうかは明言しなかった。立憲民主党の辻元清美氏への答弁。
首相は、追加聴取について「政治責任を判断する上で必要な聞き取り調査を行う」と説明。「今回の案件には、森元首相をはじめ多くの関係者が含まれる。よって（森氏も）今回の調査対象に含まれうる」と語った。
辻元氏は、すでに追加聴取を終えた安倍派幹部4人から、森氏の関与を示す証言があったのではないかと追及した。これに対し、岸田首相は「党の聞き取り調査、あるいは政倫審（政治倫理審査会）の弁明を通じて、森元首相の関与に関する発言は把握していない。そのことは今でも変わっていない」とする一方で、「追加調査の内容は今、明らかにはしない」と言及を避けた。
また、聴取対象者についても「政治責任を明らかにするために、まだ調整をしているところだ。対象が誰なのか、最初から明らかにすることはしていない」と強調し、実際に森氏を聴取するかどうかは明かさなかった。【樋口淳也】
