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モスクワ襲撃で犯行声明のIS、アフガンでもテロ頻発 タリバン苦慮


 モスクワ近郊のコンサートホールで起きた襲撃事件を巡り、犯行声明を出した過激派組織「イスラム国」(IS)が最も活発に活動している国の一つがアフガニスタンだ。アフガンで実権を握るイスラム主義組織タリバンは敵対するISの掃討を続けてきたが、抑え込みに苦慮している。

 モスクワの事件が起きる前日の21日、アフガン南部カンダハルの銀行前で自爆テロがあり、少なくとも3人が死亡、12人が負傷した。カンダハルはタリバン発祥の地で、タリバンの最高指導者アクンザダ師の拠点とされる。地元メディアによると、ISは「タリバンのメンバーを狙った」とする犯行声明を出した。

 2021年にタリバンが復権して以降、アフガンを拠点とするISの分派「ISホラサン州」(IS-K)はタリバン幹部や外国人を狙った攻撃を繰り返してきた。22年9月には首都カブールのロシア大使館近くで大使館職員2人を含む6人が死亡する自爆テロがあり、同年12月にはカブールで中国人客が多いホテルとパキスタン大使館が襲撃され、いずれもISが犯行声明を出した。タリバンが経済協力を強化する周辺国の関連施設を狙い、タリバンの統治に揺さぶりをかける狙いがあるとみられる。

 また、イスラム教スンニ派の組織であるISは、敵視するイスラム教シーア派を信仰する少数民族ハザラ人が多いカブール西部ダシュテバルチでも、バスやスポーツクラブを標的とするテロを繰り返してきた。

 ISの報道担当者は今年1月初め、IS系のメディアで「見つけ次第殺せ」と題した演説を投稿し、キリスト教徒やユダヤ教徒、その支援者を標的とする攻撃の実行を求めた。アフガン国内外のジャーナリストらでつくる研究チーム「アフガン・ウィットネス(アフガンの証人)」の1月末の報告によると、ISの投稿後にアフガンで起きた3件の攻撃でISが犯行声明を出した。また、犯行声明は出ていないものの、ISの関与が疑われる攻撃が国内でさらに3件あった。隣国イランでも1月に約100人が亡くなる爆発があり、ISが犯行声明を出した。

 タリバンはアフガン国内でISの脅威を抑え込んだとしているが、国内外の世論は懐疑的だ。米中央軍のクリラ司令官は昨年3月の上院軍事委員会で、IS-Kが「半年以内に米国や西側諸国の利益に対する作戦を実行することができると推測される」と証言した。

 タリバン外務省のバルキ報道官は23日、X(ツイッター)に「モスクワで起きたダーイシュ(ISの別称)によるテロ攻撃を最も強い言葉で非難する」と投稿し、地域諸国が協調して立ち向かう重要性を訴えた。一方、反タリバンの武装勢力「国民抵抗戦線」(NRF)で外交担当を務めるアリ・マイサム・ナザリー氏はXで「タリバンとその他のテロ組織によるアフガンの占領はすべての人に直接的な脅威をもたらしている」とISを排除できないタリバンを非難した。【ニューデリー川上珠実】

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