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「なんでこんなことが…」 黒く焼け焦げた現場 モスクワ銃乱射テロ


 小雨が降る週末の朝、襲撃されたコンサート会場が黒々と焼け焦げている光景は離れた地点からでも確認できた――。ロシアの首都モスクワ近郊で22日に起きた襲撃テロは、200人を超す死傷者を出す惨劇となった。記者が翌朝に現場取材を試みると、周辺は静けさを取り戻していたが、警戒に当たる治安当局の物々しさも漂っていた。

 武装集団に襲われたコンサート会場の「クロクス・シティ・ホール」は、モスクワ近郊でも有数規模の商業施設の一角を占める。ソーシャルメディアなどへの投稿では襲撃された後、大きな炎を出して燃え続けた。

 記者は23日午前、地下鉄の最寄り駅「ミャキニノ」で下車。最も近い出口から商業施設に向かおうとしたが、駅員からは「(出口は)閉まっている」と淡々と告げられた。理由は説明されなかったが、前日のテロの影響と思われる。

 駅構内を歩いて反対の出口から外へ出ると、数台のパトカーが周囲をグルグルと走っていた。通常の土曜日ならば、買い物客でにぎわう時間帯のはずだが、人影はまばらだ。

 前方に見えたコンサート会場は最上部のガラスの箇所がほとんど焼け、全体も黒ずんで見えた。7階建ての鉄筋の建物が高温で炎上し続けた模様がうかがわれる。ただし雨の影響なのか、焼け焦げたようなにおいは漂ってこなかった。

 「ダメだ」。記者がホールに近づこうと試みたが、非常線を張っている警察官から言い放たれた。近くを歩く50代くらいの女性に尋ねてみても「なんでここでこんなことが起こったのか分からない」と当惑気味だ。そのうえで「早くここを離れたいんだけど、もういいかしら」と会話を打ち切られた。

 2000年代から10年代初頭にかけて、モスクワや近郊ではテロが頻発したが、過去十数年間は相対的に治安が安定していた。また隣国ウクライナでは「特別軍事作戦」が続いているが、モスクワや周辺は無人機の攻撃にさらされる以外に、身近な脅威に直面していない。

 そのため、多くの市民にとって前日の襲撃が驚きだったとみられる。「テレビで見ただけで詳しいことは知らないけど、大変なことが起こった」。60代とみられる男性に話しかけると、こう答えてきた。そのうえで実感がこもっている言葉も漏らした。「恐ろしいよ」【モスクワ山衛守剛】

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