米司法省は13日、西部カリフォルニア州サンフランシスコで「ユダヤ教徒への差別意識」に基づいて乗客を殴ったとして、ライドシェアサービスの運転手の男(39)を憎悪犯罪(ヘイトクライム)などの容疑で刑事訴追したと発表した。
発表や米メディアによると、男は2023年10月26日、サンフランシスコ国際空港で、配車アプリ「リフト」を通じて自宅まで送るよう依頼した乗客を迎えに行った際、「あなたがユダヤ教徒かイスラエル人なら、家まで送らない」と述べ、乗客の顔面を拳で殴打した。乗客は米国在住のイスラエル人だったという。
米連邦捜査局(FBI)のレイ長官は声明で「国籍や宗教が理由で誰かに攻撃されるのを恐れるような状況はあってはならない」と述べた。
事件があったのは、パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスがイスラエルに越境攻撃をかけたのを受けて、米国内でイスラム教徒、ユダヤ教徒双方への憎悪犯罪が増加していた時期だった。【ワシントン秋山信一】