第96回米アカデミー賞の長編アニメーション映画賞に日本映画「君たちはどう生きるか」(宮崎駿監督)が受賞したことが10日(日本時間11日)に発表されると、映画を製作した「スタジオジブリ」の東京都小金井市のスタジオで賞の行方を見守っていた50人以上のスタッフから「うわーっ」「やったー!」と大きな歓声が上がった。発表直後、同所で記者会見した鈴木敏夫プロデューサーは「心の底からうれしい。受賞は時の運だと思っています」と喜び、「スタッフ一人一人に感謝したい」と述べた。
宮崎監督は緊張した様子でスタジオ近くのアトリエで発表を待っていたといい、鈴木さんが受賞の一報後に電話すると「本当に普通に『よかったです』と話していました」と明かした。続けて「おめでとうございます」と鈴木さんが祝意を告げると、「お互い様です」と返されたという。
受賞の要因について問われると、鈴木さんは「今作は、宮崎駿の旧約聖書の黙示録とも言えます。だから、アメリカの方に受け入れられやすかったのでは」と推察した。今後の新作について、鈴木さんは「白紙の状態。今作も準備から10年、実作業は丸7年かかっており、スタッフにも疲労が残っている。それが取れてから考えたい」と語った。【広瀬登】