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コロナ再感染、なぜ短期間で繰り返す? 医師が見た“第10波”の特徴


 「注意していたのに、とうとう新型コロナウイルスに感染してしまった」という声が相次いだ第10波。東京・品川区の荏原医師会の木内茂之会長(59)に第10波の傾向と、今後も繰り返すかもしれない感染の波から身を守る対策を聞いた。【國枝すみれ】

 「何度も感染します。2度目、3度目という患者がきます」

 レトロな町並みが続く旧中原街道近くの地域密着型病院で診療を続けてきた木内院長が警告する。

 年に2度感染した患者や、2、3カ月ごとに再感染する患者がいる。ワクチン接種やコロナに罹患(りかん)することで増強される感染・発症予防効果は短期間しか持たないのだ。

 第10波の典型的な症状は、熱や喉の痛み、せき、鼻水で、これまでと変わらない。全く無症状のケースも多い。

 「しかし、ピークは過ぎました」

 JAMDAS(日本臨床実態調査)の新型コロナ感染者の推計によると、第10波は昨年12月から始まり、2月3日ごろにピークとなった。JAMDASのコロナ感染者数は、定点医療機関で新型コロナと診断された患者の数をもとにして全国の感染者数を推定した推計値だが、過去の例から実態をほぼ正確に表すことが判明している。

 木内氏が現場で感じた特徴は重症化率の少なさだ。

 「若い世代が重症化して入院するケースはほぼ診たことがない。そこが2021年夏の流行とは大きく違う。あのときはワクチン接種をしていない40、50代が重症化して死亡する例が続出しました。現在は、高齢者でも予防的観点から入院させているケースが多い。看護する家族がいない場合や基礎疾患を抱えている場合などです」

 新型コロナの5類移行に伴い、感染者に対する法的な行動規則は、発症から5日の出席停止などを求める学校保健安全法を除いてなくなった。第10波の最中でも、電車内でマスクをせずにせきやくしゃみをしている人がいる。

 木内氏は「危機管理を人任せにしないことが大切です」という。「コロナが流行しているからマスクをする」「ちょっと具合が悪いから外にいかない」など、個人が臨機応変に判断して行動を変えることができれば問題はないという。

 アップデートされたワクチンは今後も接種を受け続けた方が良いのだろうか。

 木内氏は、①重症化率が減る②後遺症が残る確率が減る③強毒化したウイルスが出現する可能性は完全にゼロではない――などの理由を挙げ、「ワクチン接種をぜひ続けてほしい。副作用が強かった人はプラスとマイナスをてんびんにかけて判断して」という。

 「重症化率が下がればインフルエンザと同じで怖くないという人もいますが、インフルエンザに比べて抗ウイルス剤が効きにくい、と感じる。だから、医師としてはコロナの方が嫌ですね」

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