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四国で最大出力、木質バイオマス発電所が稼働 CO2排出削減に期待


 紀伊水道に面した徳島市津田海岸町で2023年12月、木質ペレットやパームヤシの殻を燃焼させて発電する「徳島津田バイオマス発電所」が営業運転を始めた。再生可能エネルギーに位置づけられる木質バイオマスのみを燃料とする発電所としては、四国で最大規模の最大出力7万4800キロワットを誇る。温室効果ガス排出削減に向けて期待も集めている。

地元企業も参画

 運営するのは、特別目的会社「徳島津田バイオマス発電所合同会社」。太陽光発電や地熱発電、風力発電といった再生可能エネルギーの開発・運営を手がける「レノバ」(東京都)が60・8%の最大出資企業で、大阪ガス(33・5%)や地元企業なども出資する。

 発電所は約6・2万平方メートルの県有地に建つ。固定価格買い取り制度(FIT)による認定を受けていることもあり、少なくとも20年程度は借り続ける見通し。付近には高度経済成長期に整備された木材団地があり、港湾施設も輸入材の受け入れに活用されたが、近年は扱いが減っていた。港湾の活性化を模索していた地元関係者と、発電所の立地場所を探していたレノバなど双方の思惑が一致したことから計画が進んだ。港湾は燃料の輸入施設として活用が期待されている。

 発電所は約1カ月半分の燃料を保管できる倉庫のほか、高さ約50メートルのボイラーエリア、タービンや発電機を収めたタービン棟などからなる。19年に着工し、23年春の営業運転開始を目指していたが、安定稼働に向けたボイラーやタービンの調整に時間を要し、同12月にずれ込んだ。この間、計画通り使えなかった燃料の一部が倉庫内で発酵し、悪臭を生じる事態もあったが、営業運転開始後は発酵は抑えられているという。

 合同会社は1月、発電所を報道陣に公開した。内部では、重機が木質ペレットやヤシ殻の燃料をボイラーエリアへつながる棟に運んでいた。同社によると、2種類の燃料を交ぜて、一定熱量を得られるようにしているという。燃料はベルトコンベアでボイラーへ送られる。タービン棟では、ボイラーで発生した蒸気を使い、発電機がごう音を立てて回転していた。

 使う燃料は当面、全量を輸入する。徳島は県土の76%を森林が占め、四国では高知県の84%に次ぐ「森林県」だ。同社は「将来、地元産も有効活用したい」としている。輸入原料に対し、価格面で競争力ある木質燃料を安定供給できるかが鍵となりそうだ。

「出力制御」頻発、国の対策急務

 「徳島津田バイオマス発電所」は、間伐材や製材過程で出る端材などを細断して小指ほどの大きさに固めた木質ペレットのほか、パーム油採取時に残るヤシ殻を燃料とする。パーム油はアイスクリームやチョコレート、洗剤、化粧品といった食品や日用品を作る際に使われる植物油だが、ヤシ殻は油の採れる実を包んでいた殻だ。

 いずれも、燃やすと二酸化炭素が発生するが、生育過程で二酸化炭素を吸収するため、温室効果ガスの排出が実質ゼロの「カーボンニュートラル」となる。木質ペレットは北米から、パームヤシ殻はインドネシアやマレーシアから輸入している。

 パームヤシを巡っては、近年、森林破壊につながっているといった批判もあるが、同社は「国際認証を受けたヤシ殻を使っている」と説明している。

 発電した電力はFIT制度に基づいて、地元の四国電力送配電が23年2月から20年間、1キロワット時24円(税別)で全量を買い取る。

 ただ、四国を含め全国では好天の春や秋などを中心に、太陽光・風力発電で強制的に発電を止める「出力制御」が頻発している。太陽光や風力の発電施設の増設で発電量が増える一方、時期によっては電力使用量が伸びず、需給バランスが崩れるのを防ぐためだ。

 発電形態によって出力制御の実施順位を定めた優先給電ルールによると、電力会社はまず石炭や石油、ガスを使う火力発電の運転を抑制し、揚水発電所の水をくみ上げる動力に電気を使う。さらに域外へ送電する。それでも発電量が需要量を上回る場合は、バイオマス発電など再生エネルギーの出力を制御する。

 再エネの中でもバイオマス発電は、太陽光発電や風力発電より先に出力制御の対象となる。各地で太陽光発電や風力発電の出力制御が頻発している中でのバイオマス発電参入となるが、最大出資企業のレノバは「電力供給を安定化させるための蓄電池事業などにも取り組んでいる」と説明している。

 国は対策を急がないと、再エネに取り組む事業者の意欲を冷やしかねない状況だ。【植松晃一】

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