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ニデック・永守氏「業績と株価上げて」 新CEOの岸田氏らに注文


 モーター大手のニデック(旧日本電産)は14日、ソニー出身の岸田光哉副社長(64)が4月1日付で社長兼最高経営責任者(CEO)に就く人事を発表した。創業者の永守重信氏(79)は会長兼CEOから外れるが、グローバルグループ代表という新たな役職に就き、代表取締役も続ける。永守氏は企業の合併・買収(M&A)などの高度な経営判断には引き続き関与する意向を表明。後継者への権限移譲が円滑に進むか注目される。

 一代でニデックを育てた永守氏の後継者選定は長年の経営課題だった。これまで外部から複数の後継候補を招いたが、いずれも永守氏の眼鏡にかなわず退任。2023年4月に銀行や大学、電機出身の5人を社長候補として副社長に選び、社外取締役が過半数を占める指名委員会で岸田氏の社長兼CEO起用を決めた。

 永守氏は14日の記者会見で、後継者問題について「能力の問題ではなく、社風と経営の考えが合う人を探せなかった」と振り返った。岸田氏を含む後継体制については「業績を上げてくれ。株価を上げてくれ。言いたいことはそれだけ」と注文をつけた。

 岸田氏はソニー(現ソニーグループ)でスマートフォン事業などを担当。22年1月に日本電産に転じると、車載向け事業を統括し、電気自動車(EV)用駆動モーター事業の強化に取り組んできた。岸田氏は会見で「永守会長が築いてきた経営を全員で学び続けて、よりよい会社に育てていきたい」と抱負を語った。

 永守氏は24年4月以降も代表権を持ち、グループの「精神的支柱」としてニデック発展の礎となってきたM&Aなどに関わる。創業メンバーで社長兼最高執行責任者(COO)の小部博志氏(74)は会長に就く。永守氏と小部氏の任期は最大4年と定め、岸田氏も4年をめどに後継社長に交代する予定だ。

 ニデックは1973年の創業以来、永守氏が積極的なM&Aを進めて、23年3月期連結決算で売上高が2兆円を突破。30年度に売上高10兆円を目指している。車載向け事業を成長分野と見込むが、足元ではEV用駆動モーターの採算が中国市場で悪化している。

 ニデックは長年、有価証券報告書に「継続的な成功は主に創業者である永守氏の能力と手腕に依存してきた」との記載があり、過度な依存は「永守リスク」と呼ばれてきた。今回の社長交代を機に後継問題が決着するのかが焦点になりそうだ。【妹尾直道】

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