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「お前だけは許さない」 “モンスターウルフ”有害鳥獣を威嚇、撃退


 「ウォー、ウォー」。鹿児島県伊佐市の山中に、うなり声を出し、赤い目を光らせたオオカミ型のロボット「モンスターウルフ」が現れた。田畑を荒らす有害鳥獣を音や光で威嚇して撃退する狙いだ。周辺に設置したわなと併せ、防除と捕獲の効果を検証する。

 モンスターウルフは、北海道の精密機器メーカーが開発したオオカミを模した害獣撃退装置。体長は約1・2メートルで、赤外線センサーで動物などを感知すると、LEDの目が赤く光って首を振り、うなり声や発砲音など約50種類、最大90デシベルの音をランダムで発する。「お前だけは許さない」などと人の声の脅し文句もある。

 市と林野庁北薩森林管理署、県猟友会伊佐支部が結んだ有害鳥獣対策の協定の一環。市内ではイノシシやシカによる水稲などの被害額が約5600万円(22年度)に上り、約10年前に比べ倍増しているという。そのため、害獣の「天敵」であるオオカミで追い払う作戦に出た。

 今回は3体を国有林の新植地に設置。シカが杉の芽を食べたり、樹皮をはがしたりする被害を防ぐ。費用は設置費込みで計約200万円。猟友会と分担し、ワイヤで捕獲する「くくりわな」も周囲に仕掛ける。今後、十数基の定点カメラで監視を続け、効果をみながら本格導入を検討する。

 現地で6日にあった設置セレモニーで、橋本欣也市長は「(獣害に困っている)九州各県や全国的にも関心が持たれている取り組みだ。被害が減少することに期待している」と述べた。【宝満志郎】

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