環境省北海道地方環境事務所は31日、鉛中毒で死んだオオワシが足寄町で回収されたと発表した。道内で所持が禁止されている鉛ライフル弾でエゾシカなどが撃たれ、その肉を食べた際に鉛を飲み込んだとみられる。
オオワシの死骸は18日に足寄町職員が回収し、緑色の吐しゃ物が顔に付着するなど鉛中毒が疑われる状態だった。猛禽(もうきん)類医学研究所(釧路市)が死因を調べたところ、胃からライフル弾の破片とみられる最大約1センチの鉛片3個が見つかり、胆汁の鉛濃度で中毒死と判明した。
違法行為の疑いがあることから、環境省は大日本猟友会と道猟友会に鉛弾規制について改めて注意喚起し、獲物の死骸を埋めるなど適切な処理を求めた。
道内では野鳥の鉛中毒が問題になり、2000年以降に鉛製のライフル弾や散弾の使用・所持が段階的に禁止されてきた。同事務所によると、オオワシの鉛中毒死は00~21年度に85件、オジロワシは00~22年度に41件確認されている。【石川勝義】