親イラン組織、米軍への攻撃停止表明 ヨルダンの米兵死亡に関与か

　イラクやシリアなどで駐留米軍に攻撃を続けてきた親イラン武装組織「神の党旅団（カタイブ・ヒズボラ）」は30日、米軍に対する攻撃を停止するとの声明を発表した。この組織はヨルダンで米兵3人が死亡した無人機（ドローン）攻撃に関与した可能性が指摘されていた。ロイター通信によると、イラク政府が紛争拡大を避けるため、国内の主要な武装組織や米国との対話を続けた結果、「攻撃停止」の決定につながったという。

　声明では、軍事作戦を停止する理由について「イラク政府が恥をかかないようにするため」と説明。戦闘員に対しては「米国の敵対行動があれば、一時的に防衛に努める」よう求めた。パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘については「別の方法でガザの人々を守る活動を続ける」と表明したが、詳細は明らかにしていない。

　神の党旅団は親イラン武装組織の連合体「イラクのイスラム抵抗運動」の主要組織の一つで、イランの支援を受けているとされる。ガザ地区の戦闘が始まって以降、駐留米軍に対する攻撃を激化させていた。【カイロ金子淳】