陸上自衛隊で航空事故を調査する航空事故調査委員会の幹部たちが今月9日に東京・九段北の靖国神社を集団参拝していたことを巡り、防衛省は26日、内部調査の結果、宗教施設に組織的に参拝することや参拝を強制することを厳に慎むよう求めた事務次官通達に違反しないと発表した。
委員長を務める小林弘樹・陸上幕僚副長（陸将）ら3人が参拝に公用車を使用したことについては、不適切だったとして訓戒にした。また、監督が不十分だったとして陸自トップの森下泰臣・陸上幕僚長ら6人を注意や口頭注意とした。
防衛省によると、参拝の案内を受けた委員会の幹部ら41人のうち22人が参加。13人が本殿、9人が社頭でそれぞれ参拝した。本殿での参拝者は玉串料を私費で支払ったという。不参加だった人もいることから、参拝は強制ではなく、個人の自由意思に基づく私的参拝と判断した。
参拝の流れや注意事項を記載した実施計画は「参拝の案内を目的とする私的文書」とし、参拝のため休暇を取得した幹部たちが防衛省を一時不在となるため「危機管理組織として休暇中の所在場所を共有するため陸上幕僚監部内で共有され、行政文書になった」と結論づけた。計画の作成者は明らかにせず、勤務時間中に作成されたのかは判明していないとしている。
毎日新聞は9日に陸自幹部十数人が境内の到着殿に出入りする姿を確認。毎日新聞などの取材を受け、調査をしていた。【松浦吉剛】
