東京都足立区の自宅で、自営業の高橋徳弘さん（55）と妻の希美江さん（52）の遺体が見つかった事件で、警視庁千住署捜査本部は22日夜、技能実習生のデラ・クルース・ブライアン・ジェファーソン・リシン容疑者（34）＝茨城県土浦市大手町、フィリピン国籍＝を新たに死体遺棄容疑で逮捕した。
事件を巡っては、夫婦の知人女性、モラレス・ヘイゼル・アン・バギシャ容疑者（30）＝足立区千住龍田町、フィリピン国籍＝が19日に死体遺棄容疑で逮捕された。捜査本部は、両容疑者が夫婦の死亡した経緯についても何らかの事情を知っているとみている。
逮捕容疑は16日ごろ、モラレス容疑者と共謀し、足立区千住緑町3の住宅内に高橋さん夫婦の遺体を遺棄したとしている。「間違いありません」と容疑を認めているという。
捜査関係者によると、高橋さん夫婦が事件に巻き込まれたとみられる16日の午前中、夫婦の自宅近くを両容疑者が歩く姿が防犯カメラに映っていたという。モラレス容疑者は逮捕時に「私は知りません」と供述し、その後も「知人男性と家探しをしていた」などと否認を続けているという。
夫婦の遺体には複数の刺し傷があり、いずれも心臓の損傷が死因となった。室内に血痕があったほか、血液の付着した刃物も見つかっている。一方、夫婦の携帯電話はなくなっていたという。
希美江さんは16日午後1時過ぎに外出し、午後4時過ぎに帰宅していたことも、防犯カメラの映像から判明。捜査本部は、徳弘さんが自宅で殺害された後、帰宅した希美江さんも襲われた可能性があるとみて詳しい経緯を調べている。
モラレス容疑者とデラ・クルース容疑者は、来日前から知人同士だったとみられる。モラレス容疑者は福島県内で、デラ・クルース容疑者は茨城県内で、それぞれ身柄を確保された。【木原真希、岩崎歩、菅健吾】
