共和デサンティス氏が撤退 トランプ氏の早期決着戦略に現実味

　11月の米大統領選に向けた共和党候補指名争いで、南部フロリダ州のロン・デサンティス知事（45）は21日、選挙戦からの撤退を表明し、ドナルド・トランプ前大統領（77）への支持を表明した。党候補争いはトランプ氏とニッキー・ヘイリー元国連大使（52）の一騎打ちの構図になるが、デサンティス氏の撤退は支持層が重なるトランプ氏に有利に働く公算が大きく、早期決着が現実味を帯びてきた。

　デサンティス氏は、Xに投稿した約4分半のビデオメッセージで「共和党候補を選ぶ人々の過半数が、トランプ氏にもう一度チャンスを与えたいと願っているのは明らかだ。トランプ氏とは意見の相違もあるが、（民主党の）現職のジョー・バイデン（大統領）より優れている」と述べた。

　デサンティス氏は、党候補指名争い初戦である15日の中西部アイオワ州党員集会で2位だったが、トランプ氏には30ポイント近い大差をつけられていた。22年ごろからトランプ氏の対抗馬として期待が高まったが、根強い人気のあるトランプ氏の支持層を切り崩せず、支持率が伸び悩んだ。保守的な政策に固執し、穏健派への支持の広がりも欠いた。【ワシントン秋山信一】