日銀、大規模金融緩和策を維持 政策決定会合

　日銀は23日の金融政策決定会合で現状の大規模な金融緩和策の維持を決めた。最近の物価上昇率は日銀が目標にしている年2％を上回るが、賃金上昇を伴った安定的・持続的な上昇には至っていないと判断した。金融機関が日銀に預ける預金の一部にマイナス0・1％の金利を適用する政策は維持する。

　春闘を前に、大企業を中心に賃上げ機運が高まり、11日の日銀の支店長会議では地方企業からも賃上げに前向きな声が報告されていた。一方で能登半島地震の経済的影響が懸念され、市場では政策修正に動くかが注目されていた。会合では、長期金利の誘導目標を「0％程度」とし、1・0％を一定程度超えることを認める「イールドカーブ・コントロール（YCC）」も継続することを決めた。

　植田和男総裁は23日午後に記者会見し、政策維持の理由を説明する。【加藤美穂子】