福岡県柳川市のハリウッドワールド美容専門学校で2023年5月、バーベキューの火が服などに燃え移り、学生4人が死傷した事故で、県警は19日、同校の古賀英次理事長（64）ら3人を業務上過失致死傷容疑で書類送検した。事故で亡くなった男子学生は鹿児島県出身で、高校時代は友人とロックバンドを組み、同県の音楽フェスの10代部門でグランプリを受賞したこともあった。昨春、実家を離れて希望を胸にハリウッドワールド美容専門学校に入学したが、わずか2カ月足らずで事故に遭い、将来の夢を絶たれた。
男子学生をよく知るという鹿児島県の音楽関係者は取材に対し「まだ18歳だった。何とも言えない」と言葉少なに語った。また、同校の学生の一人は「会えばあいさつしてくれる優しい良い子だった」と早すぎる死を悼んだ。
学校関係者によると、事故の原因となったアルコール使用は古賀英次理事長が発案し、バーベキュー大会の前に職員を集めて「実演」もしていた。その際、危険性を指摘して止めようとした教職員はいなかったという。
古賀理事長は事故後に開かれた保護者説明会で、事故の検証が終わり次第、辞任する意向を表明。同校は第三者委員会を設置し、中馬充子委員長（西南学院大教授）らが学校関係者からの聞き取りや現地調査を進めており、報告書の取りまとめは4～5月ごろを見込んでいる。【降旗英峰】
