鳥取県立中央病院(鳥取市)の救命救急センターが県東部広域行政管理組合消防局(東部広域消防局)の救急救命士からの医療行為の指示要請を拒否していた問題について、平井伸治知事は11日の定例記者会見で「残念な事態と申し上げなければならない。気管内挿管などの指示ができない状態にあったというが、考えにくい」と病院側の対応を疑問視し、「病院で調査をしており、不適切な言動があったかも含め、明らかになると思う。適正化してほしい」と述べた。
救急救命士は搬送時、重篤な患者への気管内挿管や薬剤投与などの「特定行為」を実施する際、その都度、専用電話(ホットライン)で医師の指示を受けることが救急救命士法で定められている。指示要請の拒否は昨年12月5日から10日間続き、実際に指示が得られなかった事案は3件あったとされる。平井知事は問題が明らかになった後、廣岡保明院長に対し「しっかり調査して、厳正に今後の方針を出すことが必要」と伝えたことを明らかにしたうえで、「優先されるべきは救急隊、医療機関がワンチームで一緒に行動できる環境づくり。知事部局としても、正常化に向けて動いていく」と述べた。
一連の問題について病院側が記者会見など説明の場を設けていないことについて、「(今は)病院がひと通りのことを総括する時期。心配されている状況であれば、病院側も説明すると思う。世間の関心を呼んでいるので、議会にも我々が持っている情報を報告する」と話した。【山田泰正、中尾卓英】