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ハーバード大学長、論文盗用疑惑で辞任 創設約400年で最短の在任


 米ハーバード大は2日、クローディン・ゲイ学長が辞任すると発表した。過去の複数の論文で盗用の疑いが指摘されていた。政治学者のゲイ氏は昨年7月にハーバード大で黒人として初めて、女性として2人目の学長に就任したばかりだった。米メディアは1636年のハーバード大学創設以来、最も短い在任期間だったと報じている。

 米国では昨年12月にペンシルベニア大のエリザベス・マギル前学長が、学内の反ユダヤ主義への対応で批判の矢面に立ち辞任した。政財界に多くの卒業生を輩出してきた北東部の名門私立大で構成する「アイビー・リーグ」の学長が、1カ月の間に2人続けて辞任する異例の事態となっている。

 論文盗用疑惑は12月上旬、保守系の米ウェブメディアなどの記事で表面化した。ゲイ氏が過去に発表した複数の論文で盗用の疑いがあるとの指摘に対し、大学理事会は「不適切な引用はあったが、研究不正ではない」とする調査結果を発表して続投を支持。しかし、その後も新たに盗用が疑われる箇所が浮上し、辞任を求める声が高まっていた。

 ゲイ氏は大学を通じて2日に発表した書簡で「私が辞任することが、ハーバード大にとって最善の利益である」と述べた。ハーバード大理事会は声明で、「悲しみと共に」辞任を受理したとする一方、この数カ月の間にメールや電話でゲイ氏個人に対する人種差別的な言葉が向けられたとし、「このような攻撃は可能な限り強い言葉で非難する」と記した。ゲイ氏はハーバード大の教職に戻り、最高学術責任者のアラン・ガーバー氏が暫定的に学長を務める。

 ゲイ氏の進退の判断には、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘を受けた中東情勢も影を落とした。イスラエル側に対する学内の抗議活動などをめぐり昨年12月上旬に開かれた下院教育労働委員会の公聴会で、表現の自由を重視するゲイ氏の発言が「反ユダヤ主義を容認している」と受け止められ、大学の寄付者や一部の議員などが非難を強めていた。この公聴会では、ペンシルベニア大のマギル前学長も反ユダヤ主義を明確に否定しなかったとして同じく批判を浴び、数日後に辞任に追い込まれた。【ニューヨーク八田浩輔】

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