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鳥取県立中央病院の指示要請拒否 「混乱を招いた」 院長が陳謝


 鳥取県立中央病院(鳥取市)の救命救急センターが鳥取市など1市4町の救急搬送を担当する県東部広域行政管理組合消防局(東部広域消防局)に対し、救急救命士からの特定行為の指示要請に応じないとするメールを送信し、実際に10日間にわたり指示を拒んでいた問題で、中央病院の廣岡保明院長が26日にあった「東部地区メディカルコントロール協議会」の会合で一連の経緯を説明し、陳謝した。

 「メディカルコントロール協議会」は消防法や総務省消防庁の通知に基づき地域ごとに設置され、消防機関と医療機関の調整や救急救命士の処置手順(プロトコル)を定めるのが役割。東部地区メディカルコントロール協議会は鳥取市などの医療、消防、行政関係者らで構成している。

 同消防局によると、会合は26日午後、同消防局(同市吉成)で非公開で開かれ、会長を務める中央病院の吉田泰之副院長ら約20人が出席。メール送信の理由について、廣岡院長は「プロトコル改定を巡り、病院側と消防局側に意見の食い違いがあったことが原因」などと説明。「当院に代わって指示要請に応じていただくなど、他の医療機関にご迷惑をおかけした。混乱を招いたことを謝罪したい」と述べた。

 出席した委員からは「指示を出さないということは救急医として許容できることなのか」「迷惑をかけられたのは県民であることを忘れてはいけない」などの批判が出た。メール送信については、院長の了解を得た行為ではなかったことも報告された。

 関係者によると、メールを送信したのは救命救急センター長の医師。協議会の委員も務めているが、この日は会合の直前に事務局の同消防局にメールで欠席を連絡してきたという。さらに協議会の委員についても「辞退」の意向を通知した。中央病院は県東部保健医療圏で唯一の3次救急医療機関で、消防局側は「委員が出ないことは想定しておらず、『辞退』が病院の正式な判断なのか早急に確認する」としている。

 今回の「指示要請拒否」について、同協議会は18日付で上部機関の「県救急搬送高度化推進協議会」(事務局・県消防防災課)に現行のプロトコルの妥当性を含め、適切な対応だったのかを照会した。会合では「医師が指示をしないことは、メディカルコントロールの観点から、救急救命士に対する指示体制が担保されておらず、著しく不適切」との照会結果が報告された。【山田泰正】

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