自民党の渡海紀三朗元文部科学相(75)=無派閥=は21日、首相官邸で記者団の取材に応じ、岸田文雄首相(自民党総裁)から党政調会長就任の打診を受け、「お任せします」「私でよければ」と引き受ける考えを伝えたと明らかにした。「党がこんな時だし、日本もそれほど余裕があるわけではない。やれることはやらせていただく。ここまできたら逃げるつもりはない」とも語った。
首相からは20日午後に電話で打診があったと説明した。その前日の19日から「間接的に話が少し聞こえてきた」ため、自身の資金関係について事務所に「大丈夫か」と確認するなどしていたという。渡海氏は、安倍派の政治資金パーティー収入を巡る裏金疑惑を受けて辞意を示した萩生田光一政調会長の後任として22日にも就任する見通し。
渡海氏は政調会長職を受諾した理由について「自民党が今こういう時ですから、みんな協力してやらなきゃいけない」と説明。政治資金を巡る疑惑について「深刻な問題だ」とし、「政治の仕組みをどうするかについて、もう一度根本的に議論をしなければいけない」と語った。改革の一案として、「例えばデジタル化すれば全部記録が残る。そうしたことを考えるのも大事だ。議論を党内でしっかり始めなければならない」とも語った。
「派閥の弊害はなくさなければいけない」と語る一方、派閥の存在自体は認めるべきだとし、「いろんな人が集まって勉強する。自分たちが尊敬するリーダーを党の中で押し上げていく。ひいてはそれを首相として日本の国をよくしていこうということについては一切問題ないと思う」と語った。
正式就任後、改めて自身の抱負を伝える場を設けるとした。【森口沙織】