
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)傘下の貿易会社「東海商事」(東京都千代田区)が稲わらの輸入代金を中国に不正送金した疑いがあるとして、警視庁公安部は20日、同社の関係先を私電磁的記録不正作出・同供用容疑で家宅捜索した。捜査関係者への取材で判明した。
捜査関係者によると、東海商事は2020年以降、別の貿易会社が稲わら46トンを中国・大連から輸入したように偽装し、この会社の銀行口座からインターネットで代金を中国に不正に送金した疑いが持たれている。捜査関係者によると、送金に使われた銀行は外為法に基づいて東海商事の海外送金を禁じているため、別会社を利用した可能性があるという。
公安部は、東海商事が北朝鮮から稲わらを中国経由で不正輸入し、代金を北朝鮮側へ渡すためにこうした送金手段を取った疑いもあるとみている。朝鮮総連のホームページによると、東海商事は朝鮮総連が設立した総合貿易会社とされる。【木下翔太郎】