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女子野球部員下敷き重体事故 第三者委が調査報告書 札幌


 私立札幌新陽高(札幌市南区)の女子硬式野球部で5月、部員が移動式バッティングケージの下敷きになり重体となった事故で、事故原因などを調べていた同校の第三者委員会(委員長・林菜つみ弁護士)は15日、報告書を同校側に提出した。顧問教員や生徒への聞き取りなどを元にとりまとめ、顧問の危険性の認識不足や、学校の安全管理不足を事故の要因に挙げた。

 記者会見した赤司展子校長は「部活動中に重大な事故が起き、大きな責任を感じ、大変申し訳ない。真摯(しんし)に受け止め対応する」と陳謝した。下敷きになった部員の容体は「現在も入院加療中でリハビリ中」と説明。同校を運営する学校法人札幌慈恵学園の荒井聡理事長は「一日も早い回復を祈る」と述べた。

「危険の認識、不十分」

 報告書によると、事故は5月6日午前、同市豊平区の札幌大学野球場で発生。生徒5人が前方が開いたコの字型の折り畳み式ケージ(高さ2・8メートル、奥行き6メートル、後ろの幅2・5メートル)を移動中にケージが倒れ、部員が頭を強く打った。重さは500キロ以上とみられる。

 5人は四隅の柱をそれぞれ1~2人で支えながら移動していたが、ケージが開いてコの字から不安定な一直線状に変形。柱を引くように進んでいた部員に向かって倒れた。部員が支えた柱に付いていた車輪は進むのが遅く、四隅の速度がそろわず形が崩れた。ぬかるみにはまった可能性がある。

 ケージ移動中の重大事故は長崎県でも昨年発生しているが、顧問から生徒へ具体的な安全への指導はなく、「顧問は危険性は認識していたが、顧問や生徒には、ケージが生命・身体に害を及ぼす危険があるとの認識が不十分だった」と指摘。また、札幌大球場での練習はこの日が初めてだったが、顧問3人はケージの安全確認をせず、移動中も別の作業のため手伝いや付き添いはしなかった。顧問たちは「危機感を欠いていた」などと話しているという。

 報告書はこのほか、学校側の管理体制の不備などにも触れた。同校は事故直後からケージの使用を取りやめ、全ての部活動で安全管理マニュアルを更新。再発防止策として今年度内に教員や生徒に安全講習を実施するとした。【谷口拓未】

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