「飼い犬のように…」 特別支援学校の校長が不適切発言 三重・桑名

　三重県立くわな特別支援学校（桑名市）で昨年9月、50代の女性校長が教諭に対し、障害がある生徒との関わり方について「飼っている犬のように関わるといいのでは」という趣旨の発言をしたことが7日、県教育委員会への取材で分かった。県教委は校長を厳重注意した。事実関係をさらに精査し、処分などを検討する。

　県教委によると、校長は昨年9月、障害のある生徒への対応方法に悩んでいたという教諭に校長室で、「飼っている犬では距離を少し置いている。手をかけすぎると逆効果になる」などと、犬を引き合いに出して助言した。今年3月に教諭は、「一身上の都合」として退職した。

　7月と9月、県教委に匿名の通報があった。県教委の聞き取りに校長は発言を認め、「当時は人権を尊重できていない発言という自覚はなかった」と話しているという。県教委の聞き取りに校長は、別の教諭にも同様の発言をしたという。

　県教委は、校長に子どもの人権に関する研修を実施した。県教委の担当者は「生徒や保護者の心情を傷つけたことを重く受け止めている。障害のある子どもの人権を尊重していない発言だ。県立学校全体で人権を尊重する意識の向上に努める」と話した。【寺原多恵子】