イラク駐留米軍にミサイル攻撃 親イラン武装組織、米反撃で死者

　イラク西部アンバル県のアサド空軍基地にある駐留米軍の拠点に対し、20日夜、親イラン武装組織によるミサイル攻撃があり、米側の要員数人が負傷した。米国防総省のシン副報道官が21日の記者会見で明らかにした。付近の上空にいた米軍のAC130攻撃機が反撃し、武装組織の一部のメンバーを殺害したという。

　国防総省によると、武装組織は短距離の弾道ミサイルで米軍拠点を攻撃。数人が軽傷を負い、施設にも軽微な被害があった。10月17日以降、イラクとシリアの駐留米軍拠点には少なくとも計66回の攻撃があり、62人以上が負傷した。米軍は、いずれも親イラン武装組織が関与したとみている。

　米軍は過激派組織「イスラム国」（IS）の掃討作戦で、イラク政府やシリアのクルド人武装勢力を支援するため、両国に計約3400人を駐留させている。一方、両国では親イラン武装組織も活動している。10月に始まったイスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘を巡って、米国はイスラエル、イランはハマスを支持しており、米イラン間の緊張も高まっている。【ワシントン秋山信一】