投打の「二刀流」で活躍した米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手（29）が17日、メジャー史上初となる2度目の満票でア・リーグ最優秀選手（MVP）に選ばれ、出身地の岩手県奥州市は地元スーパースターの歴史的な快挙に沸いた。
奥州市役所では午前8時前からエンゼルスのユニホームTシャツを着た職員や市民ら約200人が講堂に集まり、大型テレビで発表中継を見守った。受賞が決まると、会場は「やったー」と大歓声が上がり、応援用のバルーンスティックをたたいて盛り上がった。
倉成淳市長は「すごい偉業。市民の誇りだ」と興奮。3月のワールド・ベースボール・クラシック（WBC）決勝の米国戦を前に大谷選手が語った「憧れるのをやめましょう」の言葉を引き合いに「今日一日は遠慮するのをやめてお祝いしましょう」と喜んだ。
大谷選手の実家近くに住み、幼少期から知っているという立花公夫さん（83）は「神様を超えて宇宙人。近所の子が世界でこんなに活躍してくれてうれしい。もう少し長生きして見守ります」と笑顔で話した。
その後、市庁舎には「祝メジャーリーグ2度目のMVP受賞 大谷翔平選手」と書かれた横断幕（縦1・2メートル、横10メートル）が設置された。同市水沢のパート従業員、村上妙子さん（70）は「自分の子供のようにうれしい。良い話がない中で、わくわくさせてくれてありがたい」と感謝した。
岩手県の達増拓也知事は、大谷選手が全小学校にグラブを寄贈したことと合わせ、「人間性の大きさを感じ、県民として大変誇らしい」との談話を発表した。【湯浅聖一】
