今年3月末の閉舎予定が延期された栃木県立那須、栃木の両特別支援学校の寄宿舎について、県教育委員会の阿久沢真理教育長は7日、有識者の検討会で在り方の議論が続いているとして、2024年度も存続させ入舎生を受け入れると発表した。ただ、閉舎の方針は維持し、25年度以降については未定とした。【池田一生】
寄宿舎を巡っては県教委が今年3月末で閉舎する方針を示していたが、保護者らが存続を求める署名を県に提出するなどし、延期されている。
8月には県教委が寄宿舎を含む特別支援教育の在り方を議論する検討会を設置。これまでに4回の会合が開かれ、学識者や教育、福祉の団体関係者らが寄宿舎への現地視察や保護者らへの意見聴取を重ね、議論が続いている。最終的に提言をまとめる方針だが、期限は設けていない。
7日の定例記者会見で阿久沢教育長は25年度以降の存廃については「検討会での議論を踏まえて検討したい」と述べた。
保護者「議論深まり期待」
栃木特別支援学校寄宿舎の保護者、伊藤陽子さん（51）は「ひとまずは、ほっとしている。保護者の思いが届いた状態で、寄宿舎の本質的な役割についての議論が深まることを期待したい」と話した。
