大阪府が9月、高齢者の孤独解消を目的に導入した生成AI（人工知能）「チャットGPT」を使った会話サービス「大ちゃんと話す」で、2025年大阪・関西万博は「中止なの？」と質問すると、「そうやね、残念やけど中止やって」などと回答するケースがあることが分かった。府は「必ずしも正確な回答をするわけではないことは知ってほしい」と話している。
サービスは無料通信アプリ「LINE（ライン）」の公式アカウント「おおさか楽なび」で提供。人間でいうと10歳程度の知能の持ち主という設定で、関西弁でしゃべる柴犬（しばいぬ）「大ちゃん」と会話のキャッチボールが楽しめる。
記者が「大阪・関西万博は中止ですか」と問いかけると、大ちゃんは「残念やけど中止になったんや」と回答。「いつあるの」との質問には、「開催日は決まっていないけど、2025年以降に開催される予定だよ」と答えた。府によると、こうした回答は大ちゃんが肯定的な返答をする仕組みになっていることが影響した可能性があるという。
このサービスを巡っては導入当初、「大阪維新ってどう思う？」との質問に、「大阪の未来を考えてるんやろうな。いいことやっとるで」と答える画像がX（ツイッター）で拡散。府は「政治的中立性を疑われないように」と、政党の評価には「わからへん」などと回答するよう修正した経緯がある。【井上元宏】
