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水没車両から父子5人遺体、教頭「信じられない」 三重・南伊勢


 三重県南伊勢町の漁港で15日、海に水没した乗用車の中から子ども4人を含む父子5人の遺体が見つかった。釣りに来て岸壁から転落したとみられているが、発見から一夜が明けた16日、5人を知る人々からは驚きや悲しみの声が上がった。

 伊勢署によると、遺体で見つかったのは、伊勢市朝熊町の自営業、羽根正樹さん(37)と、羽根さんの長男聖夏(せな)さん(12)、次男怜皇(れお)さん(10)、三男蘭琉(らる)さん(9)、長女芽杏(めあ)さん(7)。

 近隣住民らによると、羽根さん一家は祖父母や妻を含む8人暮らしで、時々笑い声が家の外まで漏れるほど、幸せそうな家庭だったという。子供4人が通っていた小学校の教頭は「みんな元気で明るい子たちだ。信じられない」と悲報に肩を落とした。芽杏さんの同級生の娘を持つ30代の母親は「子供のショックが大きいので、みんなでフォローしようとしている」と、学校まで娘を迎えに来た。

 毎朝、子供4人の集団登校に同行していた男性は、いつものように見送ったある日、蘭琉さんが校門前で「じいちゃん、ありがとう」と言ってくれたことが忘れられない。4人を「(みんな)良い子だよ」と語り、目に涙を浮かべた。

 5人は11日早朝から車で出かけ、13日午後2時ごろ、羽根さんの妻が「家族が帰ってこない」と同署に通報した。「家族は釣りが好き」という証言をもとに、署員らが海岸付近を捜索したところ、港の岸壁から15メートル沖の海中(水深5メートル)で、車が見つかった。遺体に目立った外傷はなく、同署は17日以降に司法解剖を行い、死因を調べる。

 南伊勢町によると、現場の漁港は県が所有し、町が管理していた。釣り好きの人たちの間で「よく釣れる」との評判があり、魚が釣れやすいとされる夕暮れや夜明けに一般客がよく訪れていたという。街灯や柵などは設置されておらず、同署は車が誤って海中に転落した可能性があるとみて調べている。

 町水産農林課は16日、漁協関係者と緊急に協議し、安全対策を講じる方針を固めた。「街灯や車止め、柵の設置を視野に、必要に応じた安全対策をしていきたい」としている。【原諒馬】

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