パレスチナ自治区ガザ地区を支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘による死者は11日、双方合わせて2000人を超えた。イスラエルメディアによると、同国側の死者は約1200人。パレスチナ側の死者は830人に上っている。
イスラエル軍のガザへの空爆は激しさを増しており、10日の空爆ではハマス政治局の幹部2人を殺害した。従来、イスラエルはハマス軍事部門のメンバーだけを標的にしていたが、攻撃対象を拡大した形だ。ガラント国防相は同日、ガザに対して今後、「総攻撃を仕掛ける」と表明しており、地上侵攻への準備を着々と進めている模様だ。
ハマスは10日、ガザからのロケット弾攻撃を継続したほか、イスラム教シーア派組織ヒズボラが拠点を置くレバノン南部からも、イスラエルに向けて複数のロケット弾を発射。ヒズボラも対戦車ミサイルを発射した。また、ロイター通信によると、シリアのパレスチナ武装組織もイスラエルに砲撃した。一連の攻撃によるイスラエル側の死者は出ていない。
一方、イスラエルはガザに対し、電力の供給や物資の輸送を停止する「完全封鎖」を続けており、国際社会から市民生活への影響を懸念する声が上がっている。世界保健機関（WHO）のテドロス事務局長は9日、エジプトのシシ大統領と会談し、エジプト側の検問所から医療物資などを輸送するように求めた。【エルサレム三木幸治】
