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処理水放出 日本側、中国に「良くない」印象が9割 言論NPO


 非営利団体「言論NPO」(東京都)と中国国際伝播集団は10日、第19回日中共同世論調査結果を発表した。8月24日に始まった東京電力福島第1原発処理水の海洋放出についての質問で、中国側の47・6%、日本側の33・2%が「心配している」と回答した。「放出してはならない」「すべきではない」との立場を示した割合は日本側の7・0%に対し、中国側は50・0%と開きが生じた。この問題の影響で、日本側が中国に対して「良くない」との印象を持っている人は9割を超え、過去2番目に高い水準となった。

 言論NPOによると、放出を巡って中国国内の世論調査結果が明らかになるのは初めてとみられる。共同世論調査は2005年から毎年実施。今年は8月18日~9月24日、日中両国で18歳以上の男女を対象に行った。日本は調査票を渡し回収する方式で1000人が、中国は調査員による面接方式で1506人がそれぞれ回答した。

 放出について中国側の22・1%が「大変心配している」、25・5%が「ある程度心配している」と回答。日本側は「大変心配」8・9%、「ある程度心配」24・3%だった。「全く心配していない」は中国側8・0%、日本側14・2%、「あまり心配していない」は中国側18・7%、日本側23・1%。「現時点では判断できない」は中国側25・0%、日本側29・5%だった。

 放出を「国際的な安全基準に合致する」とした国際原子力機関(IAEA)の検証の信頼性についても尋ねた。「検証とは関係なく放出してはならない」との回答は中国側35・9%、日本側4・8%、「信頼できないので放出すべきではない」は中国側14・1%、日本側2・2%と開きがあった。「信頼できるが日本政府はさらなる努力をすべきだ」は中国側33・9%、日本側47・2%、「信頼でき政府の措置は妥当だ」は中国側13・0%、日本側25・2%だった。

 東京都内で10日、記者会見した言論NPOの工藤泰志代表は、双方で放出を心配する声が一定数あるとした上で、日中関係の発展を阻害する問題を聞いた質問(複数回答)で、「処理水の海洋放出」を選んだ人は、日本側で36・7%に上ったが、中国側は5・8%だったと指摘。「中国国民は2国間の障害として気にしてはいない。この問題は日中間の政治的な対立の道具として使われてしまったのではないか」と分析した。

 日中双方で相手国の印象を「良い」(「どちらかといえば」を含む、以下同)とした人は中国側で前年比1・8ポイント増の37・0%、日本側で4・0ポイント減の7・8%。「良くない」と回答した人は中国側同0・3ポイント増の62・9%、日本側同4・9ポイント増の92・2%。日本側の「良くない」割合は調査開始以来2番目に高く、「良い」は2番目に低かった。 日中関係を「良い」「どちらかといえば良い」とした日本側の回答は過去最低の0・8%だった。

 日中平和友好条約について今年で締結から45年を迎えると知っていた人は中国側で52・0%だった一方、日本側は17・8%にとどまった。【畠山哲郎】

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