65歳弁護士を除名処分 依頼放置、回収資産は生活費に 静岡

　自己破産申請の依頼を放置し、依頼主から預かった費用を生活費などに利用したなどとして、静岡県弁護士会は2日、西河修弁護士（65）を除名処分にしたと発表した。弁護士に対して行われる四つの懲戒処分の中で最も重いもので、弁護士資格を3年間失う。同会によると除名は県内初。処分は同日付。

　同会によると、西河弁護士は2015年7月に県内の建設関係業者から依頼された自己破産の手続きを、21年9月まで放置したという。申し立て費や資産の回収などで得た計約4733万円のうち、約2877万円を事務所の経費や自身の生活費として使用。回収した資産などは、依頼主にはいっさい返還されていないという。

　同会の杉田直樹会長は会見で「ご迷惑をおかけして申し訳ない。我々に対する信頼を著しく損なう行為なので、予防対策に取り組み、信頼確保に全力で取り組んでいく」と話した。【丘絢太】