民間信用調査会社の帝国データバンク群馬支店などによると、ガラス工芸品製造などを手がける「上越クリスタル硝子」(群馬県みなかみ町後閑、倉田善弘社長)は2日、事業を停止し、自己破産申請の準備に入った。負債総額は約10億2700万円。関連会社の「月夜野クラフトビール」(同)も破産申請の準備に入り、2社合計の負債総額は約12億7900万円に上る。
上越クリスタル硝子は1955年設立。工芸品や照明、ステンドグラスなどのガラス製品の製造卸を手がけ、在米日本大使館や帝国ホテル(東京都)にシャンデリアを、須崎御用邸(静岡県)にガラス壁面を納入した。また、同町で工場見学や工芸体験ができる観光施設「月夜野びーどろパーク」を経営していた。
92年3月期の売上高は約19億5100万円だったが、バブル崩壊後は業績の低下基調が続き、2007年3月期に債務超過に転落。その後も赤字基調で推移していた。
月夜野クラフトビールは96年設立。同パーク内でレストラン経営や地ビールの製造販売を行っていた。【西本龍太朗】