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社福法人前理事長が2億4730万円を横領か 妻が発表、告訴へ


 愛知県瀬戸市で三つの保育園を運営する社会福祉法人菱野(ひしの)団地子どもセンターの森田洋子理事長(61)は1日、夫の正明・前理事長(64)が3保育園の積立金のほぼ全額である計約2億4730万円を横領したと発表した。同法人は近く、前理事長を業務上横領容疑で県警に刑事告訴する。代理人によると、前理事長は横領金と個人・親族の資産を合わせ約3億5100万円を、SNSで接触してきた詐欺グループにだまし取られたとみられる。

 3園は計約160人を保育している。代理人によると運営資金は確保できる見込みで、森田理事長は「これからも運営させていただきたい」と話した。市も「丁寧な保育をしている」と評価して運営継続を求める一方、前理事長を近く刑事告発するとともに法人の特別監査を実施する方針。

 前理事長は2019年7月~23年8月、計37回にわたり「萩山」「やまぐち」「ぽっぽ」3保育園がそれぞれ園舎建て替えなどのため積み立てた資金のほぼ全額を、ひそかに持ち出した預金通帳や自身で管理していた理事長印を使ったりして引き出した。横領は23年4月以降の5カ月間に集中していた。

 8月中旬に発覚。代理人らが調べたところ、前理事長は「ウェブ上に出店するともうかる」と誘われ、7月22日に服や時計などを販売するECサイトの開店資金を振り込んだ。その後も店のグレードアップや収益に対する税金、トラブル解決金などの名目で8月14日までに計30回、計3億5100万円を複数名義へ送金していたことが判明した。

 前理事長は出店の際、有名なSNSの「β版」と犯行グループから説明されたアプリをダウンロードしていた。アプリ上では収益が順調に出ていると表示されたが、前理事長へ利益が送金されたことは一度もなかった。代理人は、詐欺グループが作成したアプリとみている。

 さらに前理事長は、SNS上で知り合った女性に「生活に困っている」と相談されて290万円を貸したり、投資型クラウドファンディングに2700万円を送金したりしていたという。

 前理事長は8月20日の理事会で辞任した。代理人によると、無一文の状態になっており、自宅を売却して賠償の一部に充てるという。各園は予定していた園舎の更新などが不可能になる可能性が高く、森田理事長は「一緒に住んでいたのに気付けなかった。申し訳ございません」と陳謝した。

 同法人は前理事長の父親が1976年に設立。父親の死去に伴い、長男で会社員だった前理事長が11年、理事長に就任した。【荒川基従】

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