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子どもがほしかった、人生を返して 70代夫婦が訴え 強制不妊訴訟


 旧優生保護法(1948~96年)下で妻が強制不妊手術をされたとして、ともに聴覚障害のある70代の夫婦が国に損害賠償を求めた訴訟の本人尋問が26日、名古屋地裁(斎藤毅裁判長)であった。夫婦は「子どもがほしかった。(子どもと一緒に)話をしたり買い物に行ったり、楽しみがたくさんあったはずだ」と訴えた。

 原告は名古屋市内に住む長嶋恵子さんと啓一さん(いずれも仮名)。訴状などによると、恵子さんは1975年4月、ろう学校の先輩だった啓一さんと結婚した。しかし聴覚障害のある2人の子育てを心配した母親に妊娠を強く反対され、同年5月ごろに不妊手術を受けさせられた。恵子さんは啓一さんに申し訳なく思い、離婚を申し出たこともあった。

 本人尋問は法廷通訳人の手話を介して行われた。恵子さんは、手術について医師や母親から詳細な説明がなかったと明かし、「産めなくなってしまい、子どものことは封印した。主人と子どもの話をすることは一切なくなった」と話した。尋問の最後には「私だけでなく、家族を含め苦しかった。人生を返してほしい、返してください」と言葉を繰り返して訴えた。

 啓一さんは「手術しないでとは言えなかった。受け入れるしかなかった」と優生保護法下にあった当時の社会を振り返り、「子どもを作るかどうかを夫婦で決めるという権利を奪われた」と憤った。

 裁判は12月19日に結審の予定。【田中理知】

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