ロシアによる侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は22日、カナダ議会で演説した。「この戦争で勝利するのはウクライナだ。大量虐殺ではない」と述べ、反転攻勢に必要な支援の継続を訴えるとともに、カナダ政府にこれまでの援助に謝意を伝えた。カナダメディアが報じた。ゼレンスキー氏のカナダ訪問は昨年2月の侵攻後初めて。
カナダは北大西洋条約機構（NATO）の加盟国。トルドー首相は同日、今後3年で6億5000万カナダドル（約715億円）に相当する追加の軍事支援を発表し、カナダで製造する装甲車50台を提供するとした。ロシアによる侵攻後、カナダはこれまでウクライナに対して90億カナダドル近い支援を打ち出してきた。
カナダには人口の4％に相当する約140万人のウクライナ系住民が暮らしている。ウクライナ国外ではロシアに次いで多く、トルドー氏の信頼の厚いフリーランド副首相兼財務相もウクライナ系だ。
議会での演説後、ゼレンスキー氏はカナダの最大都市トロントに移動し、ビジネス関係者と民間投資拡大について協議する。ゼレンスキー氏は国連総会での演説やバイデン米大統領との会談のため、18日から米国を訪れていた。【ニューヨーク八田浩輔】
