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「支援なければ戦争に負ける」 ゼレンスキー氏、米議会で直談判


 ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は21日、米首都ワシントンの連邦議会を訪問し、与党・民主党と野党・共和党の議員らと会談した。共和党の一部からウクライナへの巨額の支援を疑問視する声が強まる中、ゼレンスキー氏は反転攻勢の戦況を説明し、支援継続の必要性を直談判した。

 「支援を得ることができなければ、戦争に負ける」。米メディアによると、ゼレンスキー氏は上院の与野党議員らとの会談で切実に訴えたという。

 米議会はこれまで超党派でウクライナ支援を支持してきた。ゼレンスキー氏が昨年12月に訪米した際には、議会の上下両院合同会議で演説。議員らは万雷の拍手で戦時下の首脳を議場に迎えた。

 当時は民主党が上下両院の多数派を占めていた。しかし、今年1月からの会期は民主党が上院の過半数を握る一方で、下院は共和党が多数派となっている。バイデン政権は8月にウクライナ支援で240億ドル(約3兆5000億円)の追加予算を議会に要請。予算の成立には共和党の協力が欠かせないが、下院の同党の保守強硬派から反対の声が出ている。

 この日、ゼレンスキー氏は議会に静かに迎えられた。上下両院でそれぞれ行った議員との会談は非公開。上院では与野党のトップがゼレンスキー氏の両脇を歩いて超党派での支援を演出したが、下院では共和党トップのマッカーシー議長がゼレンスキー氏と一緒にテレビカメラの前に立つことを避けた。

 マッカーシー氏は会談には参加したが、支援継続に懐疑的な姿勢を印象づけた形だ。米CNNによると、ウクライナ側は今回の訪問でも上下両院合同会議での演説を求めたが、マッカーシー氏が断ったという。

 共和党では2024年大統領選の党候補指名争いでトップを独走するトランプ前大統領もウクライナ支援に疑問を呈している。トランプ氏はウクライナ侵攻を「米国よりも欧州にとって重要な戦いだ。欧州がお金を出すべきだ」などと主張しており、同党の保守強硬派らに影響を与えている。

 バイデン政権によるウクライナへの軍事支援は侵攻が始まって以降で440億ドルに上る。米世論にも終わりの見えないウクライナ支援に疲れが見え始めている。CNNの7月の世論調査では、ウクライナ支援の追加予算を米議会が「承認すべきでない」との回答が55%を占め、共和党支持者では71%に上っている。【ワシントン鈴木一生】

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