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大学生店主のキッチンカー、道の駅に おむすびと漁師汁が大人気


 山口県下関市豊北町の道の駅に、21歳の大学生が店主のキッチンカーが登場した。県内有数の観光地として知られる角島に近い場所で提供する「こだわりおむすび」と「漁師汁」は観光客だけでなく、地元の人からも人気となり、今秋からは敷地内の常設店舗になる勢いだ。【橋本勝利】

 屋号は「農家さんのおむすび屋 ほくほく」。狭い車内で店を切り盛りするのは山口県立大国際文化学科2年の川野亜梨紗さん。きっかけは高校2年の夏休み。豊北町のインターンシップに参加して、カフェなどの飲食店で働くと接客業の魅力に引き込まれた。

 「いつかは自分のお店を構えてみたい」。漠然とした思いを、インターンで世話になった地元のスタッフに相談するとキッチンカーのプランが浮上した。「車の準備も農園や漁港の協力も、地元の人の支えがすべて。そして家族の理解があってこそ成り立っている」。そんな思いから中途半端に取り組むのはやめようと、1年間休学。

 午前10時、豊北町内で調達した中型サイズのキッチンカーを道の駅の敷地内に駐車すると、車体に備え付けの接客スペースをオープン。その後、商品名の入ったノボリや看板を設置して午前11時に開店する。仕事の合間を見てはインスタグラムなどのネット交流サービス(SNS)に出店情報を投稿し、集客にも力を入れる。また、道の駅だけではなく、地区で祭りがあれば会場に駆けつける。「お客様の笑顔が好きなんです」とほほえむ。

 川野さんの相談相手で豊北町でゲストハウスの展開やライフセービングに取り組む新名文博さん(57)は「彼女は器用な性格ではないが弱音を吐かない。失敗を恐れない姿勢が長続きしている理由だと思う」と目を細める。また、キッチンカーの営業場所を提供する「道の駅豊北」の久保和宏社長は「就職や進学で若者が地元から離れていく中、地元の良さを最大限に生かして出店してくれるのでありがたい」と話し、サポートを欠かさない。

 休学は来春までの1年間と決めている。「大学に戻れば連日オープンとはいかない。だけど時間を作って、店は続けていく」と意欲的だ。また、「生ゴミとなるサザエの殻を野菜に肥料にするなど資源循環を生み出す会社を在学中に設立したい」と話す。将来も下関を離れる考えはないといい、「いろんな可能性を秘めている場所。ここに根付いて大好きなコーヒーの農園を営むのも夢のひとつ」と未来への展望がどこまでも広がっている。

「こだわりおむすび」と「漁師汁」

 店のイチオシは地元で収穫した食材をふんだんに使った「こだわりおむすび」と季節の魚や貝などが入った「漁師汁」。おむすびは「塩むすび」や「ちりめんむすび」など数種類を準備。なかでも、竹の葉で包んだ「海賊むすび」は地元産のウニやサザエ、特牛イカなど5種類の具材が入る一番人気。レギュラーサイズより2倍ほどの大きさでボリューム満点だ。

 漁師汁は、素材を生かした風味に加えて、見た目も楽しめるように創作したこだわりの一品。6月まではサザエが丸ごと入った「角島汁」を提供。この夏は食用花を使って涼しげな彩りを添えた「磯菜とわかめの冷やし汁」を提供している。

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